![]() | 夏の庭―The Friends 湯本 香樹実 (1994/03) 新潮社 この商品の詳細を見る |
この時期になると、名作本が本屋にずらりと並ぶ。
この小説もそのなかのひとつ。ちょっと気になって買ってみた。
小学6年生の「ぼく」は、でぶの山下、めがねの河辺といつもつるんでいる。
「死んだ人」に興味を持った僕らは、今にも死にそうなまさに生きた屍のよな孤独な老人を「観察」することにした。その老人が死ぬ瞬間を見るために。
じいさんと3人組の夏休みが始まった。
もともと「スタンド・バイ・ミー」のような、一夏の少年もののお話が好きな事もあるんだけど、読んでみてすごくよかった。
実際、キャラクターの立て方もすごく上手いというのもあるんだけど、細かい描写や心理がコミカルで、それでいてすごくリアリティーがある。
ひとりひとりの顔まで浮かび上がってくるから不思議です。
最初は「物」でしかなかった老人と少年たちに変化がおこっていきます。
主人公のことばを借りればまちがいなく「いい変化」がおこったのだろう。
その変化がとっても心地よくて温かい。
自分の心の中にもその時間がゆっくりと流れてくる感じで、かけがいのない夏の庭が
私の中にも表れたような気がします。
はっとさせられる言葉もいっぱい詰まっていて、
何度も読み返す事になりそうなそんな小説でした。
ラストシーンの十字路。
ものすごくぐっときました。
目をつぶると、頭の中にくっきり場面が表れて、
じんときてしまいます。
「台風クラブ」の相米慎二監督がこの作品を映画化されているのですが、
ちょっと見てみたい気がします。
![]() | 台風クラブ 工藤夕貴、大西結花 他 (2001/06/22) パイオニアLDC この商品の詳細を見る |




